209人が本棚に入れています
本棚に追加
「まぁまぁ慌てない慌てない。そうだ、1つ面白い問題を出してやるよ」
「そんなのはいいから早く…」
「ある所に天才と呼ばれるギャンブラーがいた」
大山はお構い無しに話しはじめた
「彼はとある女と賭け事をした。『君のその美しい胸にオレのサインを1週間以内に書こう。もしそれが出来なかったら君に10万ドルを渡そう』と。女はそれに応じた。そして1週間後、彼女は男の前に現れた。『残念、貴方の負けね。ほら、どこにもサインなんてないじゃない』と女は自分の胸をはだけて見せた。『参った参った。君の勝ちだ。美しい胸を見せてくれたお礼だ。受け取ってくれ』と男は10万ドルを渡した。しかし男は天才と呼ばれ続けた。いや、それどころかこの勝負でさらに名を上げたのだ。…さぁ何故か分かるかな?」
「さっぱりだ。胸でも見たからか?」
吉見は考えるふりすらしない
「張り合いないなぁ…では答えを知るために時を遡りましょうか。そうだなぁ…女性と勝負の約束をする前の日にでも。天才ギャンブラーはとある男にこう言った。『今日から2週間以内にオレに胸を見せ付ける女がいたら20万ドルって勝負をしないか?』とね」
吉見の表情が変わる
身体中が痺れるような感覚に襲われる
「…君はまさか…!」
「天才ギャンブラーと呼んでくれたまえ」
最初のコメントを投稿しよう!