209人が本棚に入れています
本棚に追加
大山はターゲットにも勝負を持ちかけていたのだった
「…いや、待てよ。それではルール違反じゃないか?『君にチョコを渡せば勝ち』というゲームを彼女達に持ちかけたのなら、君は勝利という景品を交換条件に出し、チョコを得た。そう言えるじゃないか!」
「そこに気付くとはなかなかだねぇ。でも誰が『チョコをオレに渡せば勝ち』だなんて言った?」
大山はそう言われるのを想定していたようだった
「そもそも彼女達に勝負を持ちかけるには心理戦らしいものでなくてはならない。勝負をするのがオレだからだ。チョコを渡したら勝ちだなんてゲームに彼女達が乗ると思うか?」
確かにそこにゲームの要素はない
どちらかといえば遠回しにチョコを要求しているように聞こえる
「だからオレはこういうゲームを用意した。『明日からの5日間、とある人間が君を口説こうとするだろう。それはオレが用意した刺客だ。しかし今の時期、魅力的な君に声をかける人は少なくないはずだ。バレンタインデーがあるからね。刺客を誰か見破れれば君の勝ち。その方法だが…君はチョコを1つ以上用意してくれ。そのチョコを刺客の目の前で別な男に渡せば君の勝ちだ。簡単だろう?チョコを渡せなかったり、刺客にチョコを渡したら君の負け』ってね。これなら交換条件にはならない。なぜなら彼女達が誰にチョコを渡すか分からないからだ。しかしさすがと言うべきか…皆、必勝法を見付けてきたね」
吉見はその必勝法というのを詳しく聞かずとも分かってしまった
最初のコメントを投稿しよう!