色男登場

4/5
前へ
/47ページ
次へ
吉見はこういう事をさらっと言える男だった 「いや、遠慮しておく」 「暇ならいいじゃ~ん。ね?一度くらいさぁ~?」 素子は助けを求めるようにちらっと大山の方に視線を移した 心配そうな表情の大山と目が合った 大山が気まずそうにゲームに戻るのを見て素子はため息をついた 「だいたい、なんで私なんかを誘う?お前の周りには可愛い女の子がたくさんいるだろう。」 「俺は素子ちゃんと遊びたいから誘ってるの。それに素子ちゃんだって十分に可愛いよ?」 素子がクスッと笑う 「私が可愛い?お世辞にも限度があるぞ?」 素子は本を閉じ、やっと吉見の方へと顔を向けた 「本当本当。俺ってさぁ、不便な身体でさぁ、嘘つけないんだよねぇ」 「嘘がつければ便利とも限らないぞ」 「素子ちゃんが言うと深みがあるねぇ。どう?今からでもじっくり語り合わない?」 「分かった分かった。デートのことは考えておくから今日は帰ってくれないか?この本をどうしても今日中に読み終えたいんだ」 手にした本を吉見の顔の前に出す 「そういうことなら退散します。邪魔して悪かったね。それじゃあまた!」 吉見はそのまま部屋を出ていった
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

209人が本棚に入れています
本棚に追加