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なぜならその必勝法を目の当たりにしているからだ
「まず刺客を見つけるとこだが…これは簡単だろう。いくらバレンタインデーが近いからといってアプローチをかける人間は多くはない。そりゃ遠回しにアピールする人間はいるだろう。しかし、チョコを貰う勝負をしている人間より目立つことはない」
まさに吉見のことだった
吉見は必要以上に接触してしまったのだ
「それでも完全に刺客を把握出来るわけじゃない。何せオレが勝負を持ちかけるぐらいだ。彼女達も少しは疑うだろう。そこでもう1つの視点から刺客を見付ける。そう、オレの視点からだ」
大山は自分の目を指した
「刺客の前でチョコを渡す。その現場を大山は確認しなければならない。なぜなら勝敗が分からないから。つまり刺客と大山は一緒にいる確率が高い。そして今日、オレは意外な組み合わせの人物とお茶をしている」
「…それでも君に渡すとは限らないじゃないか。例えば近くの誰かに渡すとか、別な誰かを連れてくるとか…」
吉見は最後の抵抗を試みる
「それも考えられる。だが彼女達はゲームをしていることを明かすことが出来ない。となれば他の人にチョコを渡すという行為はゲームではなく、純粋にバレンタインデーになる。お前はよく分かるだろうが彼女達がバレンタインデーに興味があると思うか?」
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