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「じゃあつまり俺と遊園地に行ってくれるってことでいいのかな?」
今度は吉見がここぞとばかりに入ってきた
「それはまた別の話だろう」
しかし素子はひらりとかわす
「じゃあこうしよう!俺が素子ちゃんと勝負して勝ったら一緒にデートしよう!」
「何だその勝手な言い分は?」
「あれ?ここの部ってそういうとこじゃなかったっけ?」
「それは向こうの奴らだ」
吉見が振り向くと大山を除く3人がニヤニヤした顔付きで手をあげている
「なーんだ。じゃああっちの奴らと勝負して勝ったらデートしようか?」
素子はつい笑みをこぼしてしまった
「止めておけ。勝負の内容によるが、後で憎たらしくなるぐらいにやられるぞ」
「へぇ…そんなに信頼してるんだ?」
「ある意味な。まぁ勝てることがあったら少しは君にも興味が湧くかもな」
吉見もまた笑みをこぼした
そして素子の側を離れ、4人の輪へと近づく
「やーやー、これは何をしてるとこなんだい?」
吉見は大山の肩に腕をまわし、囁くように話し掛けてきた
「部活だよ部活」
大山は素っ気なく答える
それはゲームに集中しているわけではなかった
「そんなに嫌わないでくれよー。なぁ、俺と勝負しないか?」
「これ4人用なんだよ」
「違う違う。俺と君とのサシだよ。素子ちゃんを賭けてのさ」
大山の手が一瞬止まる
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