鬼ごっこ

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何時も騒がしい教室だが今日は一段と騒がしい日だった。ある生徒は舞い上がり、ある生徒は落ち着かない様子だ。しかし雪兎はそんな事気にせず本を読んでいた。 大夜「雪兎、雪兎!今日生徒会主催の鬼ごっこするんだとよ」 雪兎「は?なんですかその行事、くだらな過ぎて笑えてきますね…というか鬼ごっこって……高校生にもなってあり得ないです」 大夜が何やら楽しげに話し掛けてきたが、雪兎はそれを可哀想なものを見る目で毒を吐いた。 大夜「け、けどよ雪兎…鬼ごっこに勝てば商品が手に入るんだぜ!?」 雪兎「具体的には?」 大夜「えっと確か……食堂三ヶ月無料券とか、生徒会のデート券とか、生徒会におねだり券とか、生徒会のホッペチュー券とか、生徒会の写真集とか…………」 雪兎「益々出たくありませんね」 大夜「……まぁ、確かにな」 商品を再度確認するように呟く大夜もさっきまで楽しげだったのに一気にブルーになった。出る気のなくなった雪兎はサボろうと決意をする。 ガララッ 辰巳「おらお前等座れ~」 そこに教師の辰巳がやってきて生徒は自分の席に座る。
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