第2楽章

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午後6時ちょっと過ぎ。 待ち合わせ場所の公園の裏通りに行くと、既に悠が近くの木にもたれながら待っていた。 あたしは息を切らして、急いで悠への元へと向かう。 普段よりヒールが高いミュールのため、走りにくい。 「はぁ…─。ごめん、遅くなって」 それでもなんとかハァハァと咳き込みながらも、悠の元へとたどり着いた。 ビシッと紺のストライプの落ち着いた感じのスーツを着こなしている悠は、やはり様になっているらしく、チラチラと他の女性の視線が向けられる。 もちろん、隣にいるあたしにも眼差しが向けられている。 しかし、当の本人はタバコを吸い 「馬子にも衣装じゃん?」 などと悪態をつきながら、いつものように鼻で軽く笑っている。 ……。 マンションでのアイツといい、目の前のコイツといい…。 「一応、あのアクアに行くんだからね。それ相応の格好をしなきゃ。」 少し呼吸も落ち着き、近くに止めていた悠の車へと向かい 「それにアクアもよく悠なんか採用してくれたよね?よほど人手不足なんだ」 あたしも負けじとばかりに笑いながら言い返してやる。
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