第2楽章

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「だんだん明るく派手になっていってるのにね。」 外を眺めたまま、静かに呟いた。 巻き髪が静かに不規則に風に靡く。 「所詮、儚い夢だからな。」 2人の間に、つかの間の沈黙が流れる。 キラキラ輝くネオンを見るたびに、何かがあたしの中で消えていくような気がする。 夜の街。 楽しいはずなのに、どこか寂しい感じがする街。 きっと、これが本当の世の中なのだと思う。 様々な欲望で溢れて溺れて。 夜の闇にのまれないために人々は明かりを求め、街をさ迷うのだろうか?。 全て、あたしの個人的な偏見でしかないけれど。 「…知ってると思うけど、『麻薬密売』らしいわよ。その詳細データ。」 ネオン街外れの寂れた公園に車を止める悠に、ファイルを手渡す。 周囲は、薄暗く気味が悪い。 これが本来の夜の闇なのだろうと思った。 「こっちが今まで調べてみてわかったこと。まだ確実とは言えねぇけど…。」 悠もあたしが渡したファイルを見ながら、自身の鞄から、ファイルを取り出し、あたしに手渡してくれた。
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