第2楽章

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さほど重量はないはずなのにページを開こうとすると、とても重く感じる。 ページの隅々まで、くまなくチェックし、ふと、知っている単語が目に止まった。 「…一ノ瀬玲音?彼が主犯なの?」 重い口をゆっくり開く。 あの勝手にキスしてきた奴が? 「否、レオさんの名前を騙って、店の誰かが悪巧みをしてるんだ。このことは、レオさんは知らねぇ…はずだ。」 ジッポーで、リズミカルにタバコに火をつける。 マルボロの香りがあたしたちを包み込む。 「幹部の誰かってこと?」 「実は…調べれば調べるほど、訳が分かんねぇんだ。」 タバコの煙が、闇夜に映える。 ふわふわと不安定に漂う様は、まるでこれからのあたしたちの仕事の行方を案じている様に按じているのだろうか。 「まるで…メビウスの輪みたいだな」 自嘲気味に笑う悠。 ため息を溢し、タバコの灰を窓から捨てる。
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