第2楽章

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「それと、もう一つ。」 軽く人差し指で、悠の鼻に触れる。 少しくすぐったかったのか、ピクッと鼻を震わせ 「もう一つ…?」 怪訝な表情をし、あたしを見下ろす。 「それ以上の調査は一度、ストップさせたほうがいいわ。多分…これ以上突っ込むと怪しまれるわよ?」 クスッと微笑み、軽くデコピンをし、相手を押し退け身体を起こす。 少し着崩れた服を直し、まだ呆然としている悠の頬を引っ張り 「無茶はしないことね。焦りは禁物よ?密売なら何度か経験あるでしょ?」 そう言って頬からゆっくり指を離し、深くシートに腰かけ、足を組む。 「いい?パートナーがいるってこと忘れないでよ。」 苦笑まじりに、あたしは優しく微笑みかけた。 ちらりとミラーを見て、くしゃくしゃになった髪型を元に戻すのも面倒で、髪を下ろす。 「ほら。今日は悠の奢りでルイ飲むんだから、早くアクアに行くわよ?」 とびきりの笑顔で、運転席に座っている悠を見つめた。 「おぉ!さっすが、俺の愛しの梨亜!俺の奢りでルイを飲む……」 今にもあたしに抱きついてきそうな悠を他所に、あたしは小刻みに肩を震わせて、クスクス笑う。
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