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そう言い終わると同時に目の前の扉は開かれ、きらびやかな店内が視界に広がる。
天井で綺麗に輝くシャンデリア。
足元には、大理石でできているであろう床に敷かれた高級感漂う絨毯。
店内の真ん中辺りにある漆黒に光輝く大きなグランドピアノ。
ハルカと共に店内の奥へと足を踏み入れると
「いらっしゃいませ。ようこそ。クラブ“アクア”へ」
とても柔らかい笑みを浮かべ、数人のホストがあたしを優しく出迎えてくれた。
「こちら梨亜さん。俺の知り合いでアクアへは初めてのご来店です。」
テキパキとそつなく物事を進めているっぽいハルカ。
何やら、店長らしき人と遅刻してきた理由としてあたしと同伴してきた旨を伝えているらしい。
あたしは、ただただ目の前の光景を眺めているだけでやっとだ。
「梨亜様、お荷物、お預かり致しましょうか?」
横から物腰が柔らかそうな金髪のホストがあたしに笑顔で尋ねてきた。
「あ…。いえ、大丈夫です。ありがとうございます」
一瞬、ビクッとしたが、すぐに笑顔になり、あたしはそのホストに丁寧にお礼を言って断った。
この鞄を預けるわけにはいかない。
何て言ったって、仕事用のデータファイルが入っているのだから。
「どうぞ、梨亜様。お席へとご案内致します。」
今度はまた別のホストが声をかけてくれた。
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