第三楽章

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「トウヤは、梨亜さんをちょっと借りるとハルカに連絡を。場所はここにいると伝えてくれ」 走り書きのメモを手渡し、あたしはレオに訳も分からないまま外に連れ出された。 『仕事ができないじゃない!』 と喉まで出かけた言葉を飲み込む。 あたしの腕を掴んでいる張本人は、ずかずかと気にせず出入口の扉を開け、外へと出ようとする。 「ち…ちょっと!どこへ行くのよ」 エントランスで、掴んでいる腕をギュッと引っ張り、歩みを止める。 「あたしは悠…ハルカとアクアへ遊びに来たの!あなたに会いに来たわけじゃないの」 というか、悠も「普通は俺のお客様なんですけど…」とか助けに来るんじゃないの? それに外に連れ出されたら調査出来ないじゃない。 「一ノ…レオさんとは、お隣さんだけど、ただそれだけでしょ?現に今日、初めて会ったばかりじゃないですか」 あたしは矢継ぎ早に次から次へと言葉をまくし立てる。 「それに、あたし何かした?今日だって、初対面の人にキスする?」 キッときつく相手を睨み付ける。
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