序章

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「性欲が溜まってるんなら、風俗にでもいけば?すっきりするんじゃない?」 性欲の塊であろう相手に冷ややかな視線を送り、ベンチを離れる。 なんで、こいつとあたしはパートナーなんだろうと考えてしまう。 あたしが悠をパートナーに指名したわけじゃない。 社長があたしと悠が幼なじみであり、同じ大学なので、いろいろと都合がいいだろうということで決定した。 ちなみに、あたしたちの裏の顔というか『仕事』とは、探偵みたいな何でも屋。 法律に触れないことだったら、自分たちのできる範囲で何でもやる。 もちろん、犯罪紛いのことなんてしょっちゅうである。 木陰と違ってひなたは、まだ太陽がジリジリと照りつけていて、暑い。 紫外線が物凄く強そうだな…などと思いながら、ベンチから少しずつ遠ざかる。 「おーい。梨亜ー!!」 後ろから、性欲の塊であろう悠が小走りであたしの後を追ってくる。 「悪かったって。ごめん。」 そう言って、申し訳なさそうに、両手を顔の前に合わせ、頭を下げる。 けれども、あたしはその様子に気付かないフリをして、そのまま出入口へと向かう。
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