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―朝。
彼の書斎にカーテン越しに柔らかな日差しが差しこむ。その日差しは本棚ばかりが立ち並ぶ陰鬱とした空間にあたたかみを与えていた。
部屋にある使いこまれた机の上は本、また本。
山積みの本に囲まれて、机に突っ伏す白衣のかたまりがのそりと動き、うめき声をもらした。
「…うぅ……う~ん」
目をこすり、机の上に無造作に置かれた眼鏡をかける。そして、こわばった体をほぐすように大きくのびをした。
「――――!!」
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