第1章

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瞬間、ぐらりとバランスを崩して椅子ごと床に倒れた。痛々しい音と共に衝撃で吹き飛んだ紙がはらはらと宙を舞う。 「…やれやれ」 床に手をつき、体をおこす。舞い落ちる紙が鼻先をかすめた。 ずれた眼鏡もそのままに、落ちゆく紙を見ながら、 「今日もいいことがありそうだ」 彼は穏やかに笑った。
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