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探し人を見つけるのに、時間はそうかからなかった。
るり子は家の中を探し回ることはなかった。
思い当たる節があるのか、靴を履き替え、真っ直ぐ裏庭へ向かっていく。
裏庭では、柔らかな日差しが葉の朝露を照らし、きらきらと輝いていた。
小鳥のさえずりが心地よい。
耕された焦げ茶色の大地には、新たな生命が芽吹いていた。
そして、畑の真ん中に、周りの色と対称的すぎて、悪目立ちする白がそこにいた。
「やっぱりここでしたか、先生」
るり子はくすりと笑った。
薫は熱心に土いじりをしているようで、るり子の存在に気づいている様子はない。
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