学生ホールの懲りない面々

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「戸塚先輩、来週から試験ですよね。」 あたしのポロッと出た問いに、戸塚先輩は「ビッ」と中指を立てていった。 「だーいじょうぶっつ!まっかせなさーい。 僕は誰の挑戦でもうける!」 試験は挑戦では決してないと思うけど。 しかし、これがS研という世界なのかしら、あたしは思った。 きっとあたしは知らない方がいいんだ。そうに違いない。 昼寝のタイミングも失ったので、あたしはソファーの上に胡座をかいて、先輩の貸してくれた「シミュレイター」誌を読んでいた。 ふんふん、なるほど、読めば読むほどさっぱり訳が分からんぞ。 そんなことを思いながら読み進んでいくと同じ学部で語学が同じクラスの水口がバイクのヘルメットとディーパックをぶら下げながら現れた。
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