恋のアタッカー・オプション

学生ホールの懲りない面々

「おおっ、江草元気か？」

元気も何もない、あんたとは先週の土曜日の夜、松崎先輩の下宿でロード・トゥー・ロードをやったばかりじゃないか。

「はいはい。それで水口、２限目の「刑事訴訟法」出席カード出しといたからね。今度何か奢れよなあ。」

「悪い悪い、んーとじゃあジュースを奢るわ。」

「だったら、黄桜のワンカップの方がいい。」

あたしは、「シミュレイター」誌を中学から使っている通学鞄に仕舞いながら答えた。

「そうそう、お前さん、結局橘さんに勝ったか？

まっちゃん（松崎先輩のことだ。）も気にしてたぞ。」

「んー、負けたよ、サドンデス・・・。これ以上はないってくらい。」

「そうかあ、なかなか橘さん厳しいなあ、まあ頑張れや。」

水口はあたしの肩をポンポンと叩いた。