学生ホールの懲りない面々

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「ありがと。また修行に行くからって松崎さんと桑田さんに言っといて。」   「分かった。」 水口は荷物をベンチに降ろすと思い出したようにあたしに言った。 「江草、お前、明日の1限の「刑法概論」出る?」 あたしは赤、青、緑、黒に黄色の出席カードを数十枚マジシャンの様に広げて言った。 「さて、何を奢ってくれるのかなあ?ぼちぼち出席日数やばいよねー。」 「うーん、じゃあ、橘先輩との時間を作ってやるよ。 あの人最近桑田先輩のところによく来てるみたいだから。」 そっか、どうりで夜、バイト帰りに寄ってみてもいないはずだ。 「結構毛だらけ猫灰だらけ、部活で毎日会ってるよ。 まあ、込み入った話はしないけど。」
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