学生ホールの懲りない面々

14/15
前へ
/927ページ
次へ
塚本先輩は、漫研というよりは空手部か少林寺拳法部にいそうな感じの人で、ギョロリと目を見開くと、意外や意外、ものすごく優しい声であたしに言った。 「あっ、どーもー。塚本です。時間、大丈夫?」 「はっ、はい、16時半位までなら。」 あたしは、信康先輩が引いてくれた椅子に座りながら答えた。 塚本先輩は少し腕を組み、信康先輩に言った。 「信康、じゃあ今日はキャラクターを作ってもらって、導入だけにしとこうか。」 「そうですね、続きは、又ということにして。」 信康先輩はキャラクターシートを取り出すとシャープペンと消しゴムを添えて、あたしの前に置いてくれた。 キャラクターを作る?ロンメル装甲兵元帥やモントゴメリー大将、マルクス歩兵大将の立場はどうなるのだろう。 ありゃりゃ、そういえばボックスもマップもない。 もしかして、ボードゲームじゃあなくて、RPGなのか。 あたしの心はざわついた。
/927ページ

最初のコメントを投稿しよう!

122人が本棚に入れています
本棚に追加