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HP(ヒット・ポイント・・・体力)が削られていく中、あたしの「フレデリック」は頑張って9体のゴブリンを倒した。
信康さんの「レッド」は、あたしよりレベルが高い分もっと倒したと思う。(それでも残りのHPはあたしとどっこいどっこいだ。)NPCの「エリカ」も猪突猛進ではあったけど、頑張っている。
ようやく先が見えたころ、塚本先輩があたしに知覚のチェックを求めた。
うながされてダイスを振ると、何とか成功らしい。
塚本先輩は言った。
「「フレデリック」の耳に新たな足音が微かに聞こえる。」
えっ?何、足音って?と、あたしが思った直後、塚本さんは厳かに言った。
「えーっと、まあ、君たちがさんざん暴れたおかげで、これはかなわんと思ったゴブリンの一匹が、助けを呼びに行ったんだな。で、増援が、」いったん区切ってダイスを振る。
「40匹。」表情を変えずに塚本さんは言い、そして、あたしたちに問いかけた。
「さあ、どうする?」
そっ、そんなこと言われても・・・。
目を見開いてあたしと信康さんを代わる代わる見つめる塚本さん。
あたしは信康さんと顔を見合わせた。ほんとにどうしよう・・・・・。
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