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「お桂、あたしはビールに関してはサントリーの「モルツ」か「冴」しか飲まない、と決めているけど、今は断る理由が見つからないわね。」
お桂は、にこっと笑うとサッポロの黒ラベルのプルタグを外してあたしに渡した。
「深雪、乾杯じゃ。」
お桂は変な方言のせいかその辺の親父のような口を利くけど、戸川純に何となく似ている女の子だ。
星女の合気道部の2回生であり、あたしの良きツーリング仲間だ。
「はいはい、乾杯。」
あたしは、缶ビールを軽く合わせると一口・・・、いや、半分くらい一気に飲んだ。
よく冷えていて上手い。あたしは、ディーパックの中から買い物袋を取り出し、バイト先でもらったキムチ漬けを出すと、ざく切りにして酒肴がわりにテーブルの上に置いた。
意外とあたしはその辺は気が利いたりする方なのだ。
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