ミューズ河は遠かった。

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あたしが、がっくしと肩を落とし本棚の上の時計を見るともう、夜の8時を過ぎていた。 ゲームを初めて5時間くらいになる。 そのうち優に3時間半はあたしが使っていたのだけれど。 「えーと、都市の占領がサン・ヴィットだけで10点。 こっちの壊滅ユニットが、9で9点、突破が6箇所で6点。 で・・・ドイツの装甲、装甲擲弾兵ユニットの壊滅が6つで12点、擲弾兵、降下猟兵の壊滅が11個で11点。 トータル25-22で3点・・・。 第8ターンのドイツ軍フェイズ終了段階でサドンデスで、連合軍の勝利だね。」 先輩の言葉を聞きながら、あたしは、ボードの上を見つめた。 スパ東方では3個装甲師団が包囲されている。 中央では、ウーファリーズ東方でこう着状態、南方の第7軍戦区では、ウィルツから、あわやジークフリート線へ突破されかかっているという悲しい状況。 「すいません。修行して出直して来ます・・・。」 あたしはユニットをトレイに片付けながら言った。 ああ・・・全く難攻不落の先輩だ。
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