壊れた私

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晴彦は出張から帰るとすぐに、私のもとへきてくれた。 「寂しかった?ごめんね」 そういって抱き締めようとした腕をすり抜けて、私は出張中に他の男と寝た事を告げた。 「どうして‥」 青い顔をして呆然とする晴彦に、別れて欲しいと告げた。 「私は誰かと付き合ってはダメみたい。自分で自分を抑えられる自信がない。晴彦は‥私にはもったいない」 俯きながら話しきり顔をあげると、晴彦は泣いていた。 「うみの寂しさは僕には埋めてあげられなかったんだね。ごめんね、うみ。何かもう信じてあげられない。最後まで守ってあげられなくてごめんね」 晴彦は、こんな最低な私に謝ってばかりいた。やめてといっても止めなかった。 別れ際に、私を抱きしめてこう言った。 「うみは多分病気だよ。看護師に言うのはどうかと思ったから言わなかったけど、今回ので確信したよ。気付いてる?自分のこと‥」
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