話法

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◆直接話法 会話文をかっこでくくる。 発言者の表現をそのまま再現した形で、臨場感がほしい時、緊迫した場面に使われる。 (例) そこで彼は「乾杯」と言った。 ◆間接話法 会話文をかっこでくくらず、地の文に流し込む。 過去を振り返って説明するときなどに使う。 (例) そこで彼は、乾杯と言った。 ◆自由直接話法 小説では発言者が誰であるか明瞭な場合、伝達節が省略されるときがある。伝達節とは“~と彼は言った。”の部分。 (例) 彼はグラスを掲げた。「乾杯」そして、パーティーが始まった。 ◆自由間接話法 会話文をかっこでくくらずに地の文に流し込み、なおかつ伝達節を省略する手法。 ◆抽出話法 英語圏で、自由間接話法に似たもののこと。 英語には“時制の一致”という文法規則があるため、抽出文の述語は過去形である。しかし、日本語では発話・思考が過去に行われたからといって被伝達部の時制が変わることはない。 ◆体験話法 ドイツ語固有の特殊な修辞法で、間接話法と自由直接話法の中間、二重の声。 語り手が自分の視点を保持しながらも、あたかも作中人物の視点からのような書き方。 ◆意識の流れ 内的独白、無意識的記憶という用語で表されることもある。 内容的には一人称だが、文章は三人称。 登場人物の意識の流れによって進んでいき、人間の精神の中に絶え間なく移ろっていく主観的な思考や感覚を、特に注釈を付けることなく記述していく手法。 日本語にはない話法なので、日本語に訳すと一人称になってしまうものが多い。
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