目醒めの時

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「………ここは?」 何にもない。 周りは闇に閉ざされている。 何処までも暗く何もない。 「誰かいないの?」 「…っ!?」 いきなり光が周りを包んだ。 目を開けると 激しい雨の中を 一人で立っていた。 ソラはおもむろに歩きだす。 (…ここ知ってる、私がよく学校の帰り道に通ってる道だ。) ソラの足は自然と家の方に歩きだす。 (ん?) 「あれは…誰?」 前方から 黒いコートを着た人が こっちに歩いている。 ソラの本能が逃げろって 言っているのを感じた。 ソラは逃げた。 走って走ってできるだけ 遠くに逃げた。 そして 近くの公園まできて 後ろを見て 奴がいないのを確認した。 ハァ、ハァ、ハァ (まいたか…) 安心したソラは前を向いた。 そこには 不気味な笑みを浮かべて ソラを見ている黒いコートを着ている奴がいた。 「ひぃ!?」 逃げようと後ろを見たけど もう一人同じ格好をした 人がいた。 (いや…) 残された逃げ場は公園しかなかった。 しかし 「きゃ!!」 ソラは転んだ。 振り返ってみると不気味な笑顔が目に入った。 そして 何も見えなくなった。
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