序章~プロローグ~

3/5
前へ
/173ページ
次へ
『公立 聖陽高等学校』 俺が入学して1年3ヶ月。 学力は県平均。 全国大会に行く部は野球ぐらい。 いたってシンプルな ごく普通の高校である。 俺の評判といえば平均、 どちらかといえば悪い方だ。 悪いといっても… 授業中寝たり、 宿題忘れたり、 その程度のものだ。 ─昼休み─ 俺は職員室に居た。 「高倉、少しはマジメに勉強しないと皆に遅れてしまうぞ?」 前の時間、数学担任の吉本に 学力低下で呼び出されていた。 「お前、前の中間考査のテストが50点台ばかりだろ。」 そんな大声でいわなくとも。 「夏休み開けたら、もっと成績は落ちる一方だと私は思うぞ。」 そりゃどうも。 「夏休みをどれだけ勉強したかによってお前の進路が…って聞いてるのか?」 「…あ、ハイ。聞いてます。」 半分だけな。 「…これは大事な事なんだぞ?進路も具体的に決まってないのに…」 ─20分後─ 「…失礼しました。」 失礼なのは、プライバシーを ベラベラ言う先生だろ。 愚痴を心に溜め込んで、 俺は職員室を出た。 キーンコーンカーンコーン… 「昼休み終わりやがった…」
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!

129人が本棚に入れています
本棚に追加