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『公立 聖陽高等学校』
俺が入学して1年3ヶ月。
学力は県平均。
全国大会に行く部は野球ぐらい。
いたってシンプルな
ごく普通の高校である。
俺の評判といえば平均、
どちらかといえば悪い方だ。
悪いといっても…
授業中寝たり、
宿題忘れたり、
その程度のものだ。
─昼休み─
俺は職員室に居た。
「高倉、少しはマジメに勉強しないと皆に遅れてしまうぞ?」
前の時間、数学担任の吉本に
学力低下で呼び出されていた。
「お前、前の中間考査のテストが50点台ばかりだろ。」
そんな大声でいわなくとも。
「夏休み開けたら、もっと成績は落ちる一方だと私は思うぞ。」
そりゃどうも。
「夏休みをどれだけ勉強したかによってお前の進路が…って聞いてるのか?」
「…あ、ハイ。聞いてます。」
半分だけな。
「…これは大事な事なんだぞ?進路も具体的に決まってないのに…」
─20分後─
「…失礼しました。」
失礼なのは、プライバシーを
ベラベラ言う先生だろ。
愚痴を心に溜め込んで、
俺は職員室を出た。
キーンコーンカーンコーン…
「昼休み終わりやがった…」
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