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「恋だね」
「…はい?」
昼休み。
目の前に座る友人、木下亜樹が意味ありげに言った。
「私、好きになったとか言った?」
「いやいやいや…。こず、自分では気付いてなくとも、それは立派な恋よ。いいじゃん!毎朝通学時間だけ会える彼って。素敵!」
亜樹は目を輝かせて、夢見る少女のように言う。
私は亜樹の言葉と、今朝の男子学生の姿を思い浮かべた。
目が合った時、思っていたより背が高く、目が大きいことに気が付いた。
そして、不思議な香り。
今までで一番強くかいだ時、その香りを自分は知っている気がした。
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