通学電車

7/11
前へ
/172ページ
次へ
「いいなあ…。甘い香りのするイケメン」 「イケメンかはわかんないけど…」 「何だよ、俺のこと?」 突然、後ろから声がかかった。 「柴田なわけないじゃん」 亜樹が鋭く言う。 クラスメイトの柴田大地が、私達が囲んでいたお菓子をつまみながら口を尖らせた。 「なーんだ。てっきり俺かと」 「柴田、今日の香水は?」 「エンジェルハート」 そう言うと、いたずらっぽく笑ってカーディガンとワイシャツをはだけさせ、鎖骨辺りを見せた。 「かいでみる?」
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加