通学電車

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「香水じゃないの?」 「香水…って感じの香りでは無いと思う。何か、ありのままっていうか」 柴田は少し黙った後、私の隣の椅子に座った。 「間宮はそいつに惚れたの?」 「惚れたんじゃなくて、ちょっとその香りが気になるの」 「ほー…」 作られたものではない。 そんな気がした。 花だとか、果物だとかそういものではなく。 三人共、しばらく無言でいたが、亜樹がトイレに行くため席を立った。 「ねえ、間宮」 「何?」
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