通学電車

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ゆっくりと、柴田の顔が近付き、私の耳元に口が来た。 「俺の香りとそいつの香り、どっちが好き?」 柴田のあまりにもストレートな行動に、思わず赤面する。 そういうのがチャラいっての! 「好きって…」 「どっち」 段々と顔が熱くなるのを感じた。 ここは上手く切り抜けないと、自分がどうにかなってしまいそうだ。 柴田の肩を軽く押し、目を合わせる。 「エンジェルハートが好き」 「香水かよっ!」 「だって柴田のじゃないじゃん?」 柴田は肩を落とす。 「そうだけどさぁ」
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