通学電車

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チャイムが鳴り、ほっと息を吐く。 私は自分の席へと戻り、教科書などを取り出した。 教師が教室に入って来て、長々と午後の授業が始まった。 何となく、自分のハンカチをかいでみた。 普段家で使っている、洗剤の香り。 フローラルなんとか…みたいな香りでも無かった。 私はこっそり音楽プレイヤーを取り出し、イヤホンを片方だけ付けた。 自分の思考を遮るものが欲しかった。 私、何でこんなに気にしてんのかな。 ゆっくりと机につっぷする。 一瞬、柴田と目が合った気がするけど、多分気のせいだ。
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