不思議な香り

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次の日の朝、私はいつも通り駅で電車を待っていた。 朝はひどく冷え込んでいるにも関わらず、今日に限ってマフラーを忘れた。 いつもより早く目が覚めたので、少し早めに家を出た所まではよかったのが。 買ったばかりの缶コーヒーを握り締める。 指先からゆっくり暖まっていく。 時計に目をやった。 電車が来るまで十分。 後十分もこの状態か…。 音楽プレイヤーを取り出し、目を瞑った。 段々と眠気に襲われていく。 冷たい風が吹いた時、風に乗ってあの不思議な香りがした。 また…この香り。
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