不思議な香り

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「だ、大丈夫です。私も寝てたので…。次のでも間に合いますし」 「そうですか…。良かった」 さっきから、鼓動が速い。 ずっと気になっていた、不思議な香りを放つ彼が自分と話しているなんて。 私は自分の顔に熱が帯びていくのを感じながら、男子学生に話しかけた。 「あの、桐坂高校ですか?」 「そうです。永原高校ですよね」 「はい…。私、二年の間宮梢って言います」 一瞬、男子学生の動きが止まった。 「間宮…梢さん」 「…はい」
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