59人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし、すぐに笑顔になった。
「俺も二年。雪野…爽太です」
「あ、二年生なんだ」
顔を見合わせて、お互い笑う。
「同い年なのにめちゃくちゃ敬語だったね」
駅には人が少ない。
冷たい風が吹き、私は思わず肩をすくめた。
「あの、間宮さん」
雪野くんが自分のしていたマフラーを外し、私に差し出した。
「よかったらしてて。寒そうだ」
「でも、雪野くんが風邪引いちゃう」
「俺は平気。丈夫だから」
雪野くんはそれ以上私が何か言う前に、マフラーをゆっくり私に巻いた。
最初のコメントを投稿しよう!