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甘い香り。
自分は今、心地いい不思議な香りに包まれている。
それだけで、心が弾むような気がした。
「あ、あの」
「ん?」
「香水とか…使ってる?」
雪野くんはそれを聞いて、自分の制服の袖をかいだ。
「つけてないけど…。何か匂う?」
「いや、変な香りじゃないの。むしろ好き。甘いような、きついような。けど安心する香り。毎朝電車で隣にいて思ってた」
突然、雪野くんは吹き出した。
「あはははっ!毎朝、思ってくれてたんだ」
「え…」
自分の言ったことが、今更恥ずかしく感じた。
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