不思議な香り

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「いや、その…」 「間宮さんって面白い」 何だか大胆なことを言ってしまった…。 「はは…。多分、絵の具じゃないかな」 「絵の具?」 私が聞き返すと、雪野くんは自分のリュックからスケッチブックを取り出して私に渡した。 絵の具で描かれた、風景や人の絵。 淡いけど色鮮やかで、気取った描き方でなく、ありのままを描いたような絵だった。 「すごい…。上手ね」 「完璧な趣味だけど…。描く時、絵の具を使うんだ。常に持ち歩いてるから匂いが移ったのかも」
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