微かな過去

2/7
前へ
/172ページ
次へ
「…で、そのマフラー借りたんだ」 「うん。名前も聞いて、ちょっと話もできた」 亜樹は私の話を聞きながら、終始目を輝かせていた。 「もう運命ね!そのまんま付き合っちゃうんじゃない!」 「あのね……」 雪野くんの笑顔を思い出した。 雰囲気で、何となく無愛想の人かと思っていたけど、大分違った。 優しいし、気さくな人だったな。 「え、間宮、彼氏できたの?」 「もう、柴田まで。違うって。昨日言ってた男の子と、今朝色々あって話したの」 「それ…だけ?」 「それだけ」
/172ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加