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佐伯は、梢が中学校に入学して二ヶ月程経った時に転入してきた。
「……よろしくお願いします」
目立つことが苦手なようで、口数も少ない。
態度もそっけない。
だからか、誰も近付かなかった。
「何か、目線が私達をケイベツしてる感じ」
女子の中ではそう言われたりもした。
梢も大して佐伯に興味がわいたりもしなかったので、話したりはしなかった。
ただ、美術の時間、絵を描いている時の佐伯はどことなく生き生きしているようで、隣の席だった梢は、美術の時間だけ話しかけるようにした。
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