爆弾は突然に

3/10
前へ
/44ページ
次へ
そして今、指定されたカフェで私は香織さんを待っている。 明るい太陽の光を浴びた街路樹の葉がカフェの窓から見える。 季節はもう初夏だ。 壷とかハンコとかも困るよなあ…。投資話?いや、私には持ちかけないでしょ。 もしかして、アレがばれたかなあ。 気もそぞろとは、まさにこのこと。 私は入口に目をやり、昼食を目当てに入ってくるサラリーマンやOLを見ながら、事前に教えてもらえなかった、今日のランチの目的について考えていた。 万全を期して計画してるし、アリバイも隠ぺいも完璧なはず。 ちょっとやそっとでばれるとは思えない。 とぼけても、しらを切り通してもだめだったら…。 せっかく8年間隠し通してきたのが水の泡になる。 でも意外と香織さんも同じ趣味なのかも。 だったらばれるのも納得。 う~ん、想像つかないけど…。 私がマイナスばかりの予想を立て、傾向と対策を練り終わった時、香織さんが店の入口に現れた。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加