爆弾は突然に

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私の姿を探す香織さんに、小さく手を振って合図をする。 私に気が付くと、香織さんも手を振り返して、にこやかに近づいてくる。 ベージュのスーツが、よく似合っている。 「ごめんごめん。」 「昼休み直前の電話なんて、取るもんじゃないね」 遅刻を詫びながら香織さんが席に着く。 10才年上の香織さんは、かなり仕事ができる。 本人は「年の功よ。みんなできるようになるって。」と言うが、そうではないと入社7年目を過ぎて実感している。 入社してすぐ、香織さんの下につけたことは、すごくラッキーだったと思う。
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