爆弾は突然に

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通りかかった店員さんに日替りランチを2つ注文し、掛かってきた電話の顛末を話す香織さんに相槌を打つ。 一通り話すと、香織さんは、 「引き継ぎで分からないこと、ない?」 と、何気なく聞いてくれる。 新年度の人事で、頼れる上司香織さんは配属が変わった。 言わば栄転だ。 香織さんがしていた仕事の半分は、私が引き継いだ。 「やり方は大丈夫です。だいぶ分かってきました。」 「ほんと、良かった。頑張ってるのね。」 「でも、営業さんの人間関係が複雑で…。」 注文したランチを食べながら、最近の出来事を話す。 聞き上手な香織さんは、励ましやさりげないアドバイスをくれる。 そのどれもが的確で納得できる。 すっかり香織さんの話術にはまった私は、ここに来た目的も忘れて、立て続けに仕事の近況を話した。
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