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まぁ、生来のものだから仕方ないか……
少なくとも、司君よりはマシかな、うん
「なら、君の息抜きも兼ねて行こうか。どうせ、勉強漬けだったろうし」
「う……雪弥に聞いたんですか?」
「いいや、君は頑張り屋だから。何となーくね」
気まずい表情の彼を見て、軽く苦笑を浮かべる。
何となくは、半分本当で半分嘘。
司君から
「最近、夜弥君の顔色が悪いんだよねー」
と、聞いていたからだ。
確かに目の下に隈が出来ている。
やれやれ、と首を横に振れば先程から準備していた物を彼の前に差し出す。
「はい、僕からの奢り。ミルクティーとマカロン」
「え、で、でも……」
「僕から頑張り屋さんにご褒美だよ。それ食べながら、予定でも考えようか」
「!! はい!」
目を細めて笑う姿は、少し幼くて可愛らしい。
さすが兄弟揃って、甘党なだけあるね。
週末の事を考えつつ、僕は美味しそうに食べる彼を観察した。
頑張り屋さんには、適度の休憩とご褒美をあげよう
きっと、次も頑張れるから
~END~
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