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しょげ返る彼に小さく苦笑を浮かべながら、カフェオレの準備を始めた。
チラリと隼人君に視線を向ければ、どこかワクワクした表情を浮かべて僕の手元を眺めている。
何が楽しいのか、イマイチ理解はできないけど。
明るい癖のある茶髪がユラユラと揺れている。ここは兄弟で似てる。
「今日は、司君は?」
「アルバイトですよ。パーティーの道具やら買うって張り切ってました」
「あぁ、また黒鋼に悪戯する気だね」
「みたいです。ハロウィン、クリスマスに続き黒鋼さんの眉間に皺ができす」
「・・・・・・兄としてちょっとは、彼の道を諭してやって。黒鋼が過労死する」
「えぇー、無理ですよ」
「そこは即答なんだ」
そう、この隼人君と司君は兄弟。
似ているとすれば髪質かな、性格は正反対だしね。
カフェオレを差し出しながら、彼のピコンッと出ているアホ毛を眺める。
両手でもってカフェオレを飲む姿を見ては、ウサギみたいな子だなと思った。
ふわふわとして、庇護欲をそそられる。まぁ、僕には+加虐心なんだけど。
「そういえば、あの双子ちゃん達は?来るのかい?」
「来ますよ~。二人とも薫さんの料理を食べれるの、楽しみにしてますから」
「そう、それなら作り甲斐があるかな」
「はい!僕も楽しみですよ~、ってアチチチ」
「淹れたてなんだから、気を付けて飲みなよ。前にも言ったよね」
にこにこから、口を押えて涙目なるのに思わず苦笑する。
カウンターに両腕を乗せてその表情を眺めると、彼の薄茶の瞳が僕の顔を映した。
ん?僕の顔に何かついてるの?
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