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｢今日は、早いね。｣
寂れた商店街に
なお一層
そこを象徴するような
佇まいの食堂。
のれんをくぐる私に
常連さんが
声をかける。
｢今日は、もう終わりなんです。｣
仕事を終えたと
こんな返事をしながら
ぱっと店内を
見渡し
席をとる。
このお店は
全てが相席。
きちんと選んで
着席しないと
とんでもないことになる。
愚痴に付き合わされ
時には、ケンカだって起こってしまう。
お客さんが
それぞれの想いの
重い荷物を
降ろしにくるから。
もちろん
私もその一人で。
嫌なこと
嬉しいこと
先の不安など
今日、背負ってしまった分の荷物は
ここで
降ろさせてもらう。
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