みちくさ

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「昨日は、本当にすみませんでした。」 「始めてみたよ! すっぴん。 疲れた顔して・・・ ママ、しっかり。 ゆうちゃんは、いい子だね。」 開口一番の鈴木さんの言葉に 胸が熱く 涙が溢れてしまった。 「ありがとうございます・・・」 「いいよ。 話したくなったら、連絡してよ。」 「話したいです。 でも、何をどこから話していいやら・・・」 「とりあえず、ゆうちゃんとあんた。 今日は、家においでよ。」 「ゆうは、いとこの家に行くそうです。 ずっと、家から出れずにいて 誰とも連絡をとっていなかったみたいなので 年の近いところで いとこにお世話になろうかと思います。」 「あんたは?」 「どうしていいのか? 自分でもわからなくて。 ただ言えるのは、金銭的に よっちゃんの家を出て行くのは無理だと思います。」 「そっか。 よく考えて。 どの夫婦も簡単に別れられないのは 奥さんに生活力がないからなんだよね。」
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