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『私には分かりません
分かるのは、貴方しか居ない
貴方の心は貴方にしか理解できないこと
貴方の謎は貴方にしか分からないこと
例え、他人が何を言おうと、それは他人が言ったこと
それは、ただの助言にしかすぎません
全ては、貴方次第なのです』
幼い顔の女が無邪気に笑った
『ならば、俺は…その謎を解こうと思う』
何故、この場所に己が居るのか
『それでは、その問いが分かるまで
この世界で生きると良いでしょう』
金髪の女が微笑した
幼い女が男に手を差し出し
男はその手を取ると、彼女は軽やかに歩き出す
その途中で、女たちの後ろから、ずっとこちらを見守っていた女と目が合った
黒髪の女は切なげに微笑み、お辞儀をする
暫く歩いていくと、白い何かが見えた
『あれは…』
男は呟く
見たことのある、建造物
『貴方の家ですよ
あそこで暮らし、貴方の問いの答えを探しなさいな』
幼い顔の女が笑った
彼女は繋いでいた手を離し、風のように軽やかに来た道を戻っていく
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