君の瞳に乾杯

１時間目

　
「今は定員割れしてて私と２人しかいないけど元は４人部屋だったからベッドとか４つもあって正直狭苦しいよね。

でも壁にくくり付けてあって外せないんだ。
だから他の人たちは右側と左側で部屋を分けて窓側のベッドを使って入り口側のベッドは荷物置きになってるんだ。

うちらもそのほうが分かりやすいからそうしたいんだけど夏海はどっちがいい？」

お父さんの代わりに持ってきてくれた私の荷物を床に置きながら千紗に聞かれたが大して変わらなそうだし千紗の荷物が右側寄りにあったので私は左側にした。

残りの荷物も２人で部屋に入れ終わり駐車場で、お父さんと別れるとき大粒の涙を流していた。

車に乗っても、なかなか出て行かないので毎日電話をする事とゴールデンウィークには帰る事を約束してやっと帰ってくれた。

やっと開放されて部屋に戻ると千紗が部屋から一部始終を見ていてお父さんに若干引いていた。

家を出る時、中２の妹と小６の弟も一緒に来たがっていたが邪魔だと思って置いてきたのに、こんな事なら一緒に来てくれた方が良かったかもしれない。

私と千紗は荷解きをしながら、千紗がこの寮の事を色々教えてくれた。