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「それで。どうしていいか困ってる私をクラスを調べて送り届けてくれた上級生いたんだ。
……男の人だったんだけど」
手を引かれて歩いたとか言っちゃうと「子供みたい」って笑われるかもしれないと思って、要所要所だけをナツに話した。
「その先輩にクラスを教えてもらって、すっかり安心してしまって……出席番号なんてすっかり頭になかったの。
だから今、初めて出席番号を知った……」
……わけなの、と。
そう続けるつもりだったけど、最後まで言い終わらない内にナツが身を乗り出して言葉を遮った。
「えーーー?えーーー!?
それ。なんか、スゴいねー!」
高校生にもなって、こんなドジなのも間抜けなのも、絶対笑われると思ってたのに。
「すごーい!
もしかして運命の出会いってやつかもよ?
『入学式の日』高校生になったその記念すべき日に、初めて出会った先輩に助けてもらうなんてっ!!!」
ナツのリアクションは予想外。
しかも興奮気味。
そして。
大げさだ、よ……!
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