運命の出会い?

11/15
前へ
/955ページ
次へ
   確かに……。  ドラマチックな響きではあるけどもっ!    あの時の私は本当に!本当に!困ってて。  笑い事じゃなかったんだってばっ!  ……って。  一生懸命伝えてはみたものの、彼女の耳はもはや聞く耳持たず。  興奮状態。 「で。その助けてくれた先輩!  上級生の名前は?」 「……ごめんなさい。  それが、わからないの」    私が自嘲気味に答えると、ナツは「ふむふむ、なるほどね」とあっさり頷いた。   「あーね。やっぱり聞いてないか。  じゃ、特徴とかは?」  私が抜けていて、重要な事を聞き逃しているだろうという事は、もはや想定内らしい。 「あ、それが、私。あの時、すごーく緊張してて。実はあんまり覚えてないんだ。    ほら、名前も聞き逃してしまったくらいだし。  ただ……背が高くて、優しい人だった、な。……あとは曖昧。思い出せないや」 「ふーん。そっかぁ。    ま、私もハルの『運命の人』探すの手伝うからさ!会ったらまずお礼言わなきゃね」    運命の出会い?  運命の人?  やだ、何それ??  っていうか、楽しんでませんか?  ナツさん???  だけど。   またあの人に出会えたなら。  ちゃんとお礼を言いたい、な。  
/955ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5302人が本棚に入れています
本棚に追加